かずどっとがまた端末買ってる

購入した端末について使用感などを書いていくつもりのブログです

Core i5 13600KでPCを組み替えたので、今まで使っていたRyzen 5 5600Xと性能比較してみた

メインPCのパーツのリプレースを行いました。
これまでRyzen 5 5600Xを使用していたのですが、Core i5 13600Kに構成変更しました。

Ryzen 5 5600Xの環境でも性能的には十分なので「まだリプレースするには早い?」と思ったりもしましたが、

といった理由から、パーツ購入に踏み切りました。

今回は、

を行っていきます。

パーツ入れ替え

今回は、旧環境で使用していたパーツを一部流用する形でリプレースを行いました。

入れ替えたパーツ

旧環境から入れ替えを行ったパーツは以下のとおりです。

  • CPU
  • CPUクーラー
    • 変更前:noctua NH-D15 chromax.black (NH-D15S相当で運用)
    • 変更後:DeepCool AK620 ZERO DARK
  • マザーボード
    • 変更前:ASRock B450M Steel Legend
    • 変更後:ASUS TUF GAMING B660M-PLUS D4
  • データ用SSD
    • 変更前:Crucial CT1000MX500SSD1 (容量:1TB)
    • 変更後:SUNEAST SE850G7002T (容量:2TB)

流用したパーツ

以下のパーツは、旧環境と新環境で同じパーツを利用しました。
ちなみにケースは検証後に「いまのままではエアフローが厳しい」と判断し、後日Fractal Design North TGに買い替えています。

※2023/08/02 SSDの型番表記ミス修正

余談:選定したパーツについて

  • CPU
    • 友人の家に遊びに行った際にCore i5 13600Kで組み替えたPCを見せてもらい、性能の高さと最近の価格事情に気持ちを揺さぶられて購入を決断しました。
  • マザーボード
    • Core i5 13600Kクラスの運用を考えるなら電源回路がしっかりしているほうがいいだろう、ということでTUF GAMINGシリーズを選択しました。
      B760チップセットのモデルに比べて安価だったことも購入の決め手です。
    • また、「光デジタル出力端子」を搭載している点も個人的には重要なポイントでした。
      ノイズを抑えるためにPCとヘッドホンアンプを光デジタル端子で接続しているので、これは必須でした。
  • CPUクーラー
    • 当初はNH-D15を使い続ける予定だったのですが、購入したマザーボードPCI-Express端子の位置がいままで使っていたマザーボードよりも一段高い位置にある影響で、CPUクーラーのヒートシンクがグラフィックボードに干渉することに組み始めてから気づきました。
      ヒートシンクを90度回転させたら取り付けはできたものの、さすがにこれは冷却性能を発揮できないだろう…と判断し、高性能かつ干渉のリスクが低そうなAK620を急遽追加購入しました。
  • データ用SSD
    • 安い割に搭載部品が優秀で高速、と一部界隈で話題の中華M.2 SSDが気になり購入しました。
      信頼性はどうなのかという点が懸念事項になりますが、データは時々バックアップを取っているのと、ゲームのデータが大半を占めることから、最悪壊れてもなんとかなるだろう、と楽観的に判断しています。

NH-D15を無理やり取り付けたときの写真。流石にこれで継続利用は無理…と判断し、AK620の購入に至りました

ベンチマーク結果を比較

CineBench R23、FF14ベンチマークFF15ベンチマーク、BLUE PROTOCOLベンチマークを実施して結果を比較してみます。

  • 測定条件について
    • メモリ:DDR4-3600 (XMPプロファイル使用)
    • グラフィックボード:電力制限なし(100%)、ドライババージョン:472.12
      • Windows Update実行で適用されるドライバをそのまま使用

CINEBENCH R23 マルチ(10分)

CINEBENCH R23 マルチ ※Ryzen 5 5600Xは測定時不備につき、1回実行の結果のみ記載

参考に、以前測定していたRyzen 5 3600のデータも掲載しています。
一番の比較対象にしたかった、肝心のRyzen 5 5600Xのマルチ10分スコアを取り損ねるというミスをしてしまいましたが、スコアの出方の傾向はRyzen 5 3600と同様なので、1回計測のスコアと比較します。

Core i5 13600Kについては、マザーボードのデフォルト設定のままベンチマークを実行したところ、マルチ10分完走直前にCPU温度がほぼ100℃まで上がってしまったため、電力設定を抑えたベンチマーク結果も2パターン測定してみました。

  • PL1=125W, PL2=181W
    • Core i5 13600Kの定格設定
    • ブースト時間を超過すると、125W程度で動作するようにリミッターがかかる
  • PL1=154W, PL2=181W
    • PL1の設定値を、Core i5 13400/13500(K無しモデル)のPL2と同等値まで引き上げ
      • (参考)Core i5 13500定格:PL1=65W, PL2=154W
    • ブースト時間を超過すると、154W程度で動作するようにリミッターがかかる

結果

  • Core i5 13600Kのマルチ性能の高さが凄い!!!
    • 最高スコアベースで比較すると、Ryzen 5 5600Xの2.3倍近くの高スコアが出ました。
      Ryzen 5 3600、および5600Xとの圧倒的な性能差が結果に現れています。
  • Core i5 13600Kの電力制限を有効にしても、十分なマルチ性能の高さ

    • 定格相当(PL1=125W)まで電力制限をかけた状態でも、Ryzen 5 5600X比で約1.6倍程度のスコアが出ました。
      一方、電力制限なしの状態と比較するとマルチ性能は30%程度低下しました。
    • PL1=154Wまで電力制限を引き上げると、Ryzen 5 5600X比で約1.9〜2.0倍程度の性能になりました。
      電力制限なしの状態と比較したマルチ性能の低下は15%程度に抑えられました。
  • 参考:発熱について

    • Core i5 13600Kの電力制限なしの動作では、マルチのベンチマーク開始直後は90℃程度まで上昇し、10分完走直前にほぼ100℃に到達しました。
      サーマルスロットリングの発生こそなかったものの、測定時点でのPCケース環境では特に不安が残る結果になりました。
    • PL1=125Wに設定したところ、エアフローが不十分なPCケース環境でも70℃弱までCPU温度が抑えられ、かなり温度に余裕が出ました。
    • PL1=154W設定では、CPU温度が80℃前後を維持し続け、マルチ性能と発熱のバランスが最も取れているように感じました。

CINEBENCH R23 シングル

シングル性能の比較についても、マルチ性能と同様の項目で比較を行います。

結果

CINEBENCH R23 シングル

  • Core i5 13600Kはシングル性能も高い!
    • Ryzen 5 5600X比で約1.25倍、Ryzen 5 3600比では約1.5倍程度のスコアが出ました。
      Ryzen 5 5600Xが発売されてから2〜3年程度ですが、ここまでシングル性能に差があるのか、と驚きです。
  • シングル性能では電力制限の影響を受けない
    • シングル性能の比較では、ベンチマーク実行中でも消費電力が70〜80W程度となり、電力制限の影響を受けないため、電力制限なし・PL1=125W・PL1=154Wのいずれでも性能差はほぼありませんでした。

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

ここからはCore i5 13600KとRyzen 5 5600Xでの比較です。
同一メモリ・同一グラフィックボードを使用した場合のゲーム性能比較を行います。

  • 測定条件
    • 以下の設定で測定を実施
      • 1920x1080 最高画質
      • 2560x1440 最高画質
    • 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施

ベンチマークスコア

FF14ベンチ スコア

ベンチマークスコアは、Ryzen 5 5600X比で1920x1080が15%、2560x1440で9%ほど上昇しました。
1920x1080(FullHD)解像度でのスコアの伸びが顕著で、CPUとマザーボードを変えるだけで30000点台に乗るのか!と驚きました。

フレームレート(平均・最低)

FF14ベンチ フレームレート

1920x1080・2560x1440のいずれも、Ryzen 5 5600X環境比で平均fps・最低fpsともに向上しているのが確認できました。
最低fpsが解像度問わず20程度上昇しているので、ゲーム画面がよりカクつきにくくなっていることが期待できますね。

FINAL FANTASY XV ベンチマーク

FF15ベンチマークについては、ベンチマークスコアのみの確認を行いました。

  • 測定条件
    • 以下の設定で測定を実施
      • 1920x1080 高画質
      • 2560x1440 高画質
    • 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施

ベンチマークスコア

FF15ベンチ スコア

こちらでも、Ryzen 5 5600X比でのスコア向上が確認できました。
上昇量はFF14ベンチマークに比べると控えめで、1920x1080・2560x1440ともに5%前後のスコア上昇でした。

以前Ryzen 5 3600からRyzen 5 5600Xに移行したときも、FF15ベンチマークに関してはあまりスコアの上昇が確認できなかったので、このベンチマークに関してはグラフィックボードのほうがより強く結果に影響するものと考えられます。

参考記事 kazudot.hatenablog.com

BLUE PROTOCOL ベンチマーク

2023年6月下旬にサービス開始したばかりのBLUE PROTOCOL。
ベンチマークが先行して公開されていたので、こちらを利用しての性能比較も行いました。

  • 測定条件
    • 以下の設定で測定を実施
      • 2560x1440 最高画質
    • 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施

ベンチマークスコア

ブループロトコル ベンチ スコア

ベンチマークスコアについては、Ryzen 5 5600X環境比で約9%の上昇でした。
上昇量はFF14ベンチマークの2560x1440での結果と似たような内容となりました。

フレームレート(平均・最低)

ブループロトコル ベンチ フレームレート

フレームレートに関しては、平均13fps程度の上昇でした。
最低fpsの落ち込みがFF14ベンチマークと比べて激しいですが、10fps近くまで落ち込んでいるRyzen 5 5600Xに比べると、30fps弱で踏みとどまっているCore i5 13600K環境は凄いと感じさせられます。

まとめ:これがCore i5!?という高性能、だけど発熱はうまく制御したい

各種ベンチマークを回してみた感想としては、とにかく「これでCore i5なのか…」という驚きに終止してしまいました。

一つ前の世代であるCore i7 12700Kと渡り合えてしまうポテンシャル、二世代以上前であればCore i9さえ超えてしまう?!という性能のCPUがミドルレンジ帯のCore i5という位置づけでリリースされているという事実に、「すごい時代になったなぁ」と思うばかりです。

Ryzen 5 5600X環境から入れ替えたことによる性能の向上に関しては文句なしですが、性能の大幅向上の代償として発熱も大きく、ハイエンド級の空冷クーラーを持ってしても、前提知識無しで何も考えずに扱うのは少々難しい印象を受けました。
私の環境ではmicroATXサイズの静音重視ケースで半ば無理やりGeForce RTX 3070Tiを使っていたこともあり、CPUとグラフィックボードの両方からの発熱がネックになりました。

幸い、マザーボード側の設定で適切に電力制限を設定することでCPU発熱は現実的なところまで抑えることができたので、性能とのバランスを考えて運用したいところです。
簡易水冷での運用や、ケース全体の排熱を考えたパーツ選びも考えるべきだと感じました。

発熱面で難しい部分があるとは述べましたが、圧倒的な性能の高さは魅力的ですし、今回PC構成を変えて大変満足しています。
記事執筆時点ではIntelに限らず、AMDRyzenの7000番台が圧倒的に性能を伸ばしており、Intel環境でもAMD環境でも、PC自作がとても楽しい時期にあると思います。今は時期が良い!!

おまけ。結局いまはFractal Design North TGで運用しています。電力制限なしでもCINEBENCH R23マルチ10分でCPU温度が96℃くらいで耐えられるようになりました