メインPCのパーツのリプレースを行いました。
これまでRyzen 5 5600Xを使用していたのですが、Core i5 13600Kに構成変更しました。
Ryzen 5 5600Xの環境でも性能的には十分なので「まだリプレースするには早い?」と思ったりもしましたが、
- Core i5 13600KのCPU性能の高さに惹かれたこと
- TPMが有効な環境でWindows10/11が一瞬フリーズする現象がBIOSアップデートでもあまり改善されなかったこと
- NVMe M.2 SSDが2枚以上搭載できるマザーボードが欲しいと思っていたこと
といった理由から、パーツ購入に踏み切りました。
今回は、
- Ryzen 5 5600XとCore i5 13600KでのCPU性能比較
- 同じグラフィックカードを使った場合のRyzen 5 5600XとCore i5 13600Kでのゲーム性能(ベンチマークスコア)比較
を行っていきます。
パーツ入れ替え
今回は、旧環境で使用していたパーツを一部流用する形でリプレースを行いました。
入れ替えたパーツ
旧環境から入れ替えを行ったパーツは以下のとおりです。
- CPU
- CPUクーラー
- 変更前:noctua NH-D15 chromax.black (NH-D15S相当で運用)
- 変更後:DeepCool AK620 ZERO DARK
- マザーボード
- 変更前:ASRock B450M Steel Legend
- 変更後:ASUS TUF GAMING B660M-PLUS D4
- データ用SSD
- 変更前:Crucial CT1000MX500SSD1 (容量:1TB)
- 変更後:SUNEAST SE850G7002T (容量:2TB)
流用したパーツ
以下のパーツは、旧環境と新環境で同じパーツを利用しました。
ちなみにケースは検証後に「いまのままではエアフローが厳しい」と判断し、後日Fractal Design North TGに買い替えています。
- メモリ
- G.Skill Trident Z NEO F4-3600C16D-32GTZNC 16GBx2
- グラフィックカード
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Ti AMP Holo
- OS用SSD
- Western Digital SN750 500GB
- 電源
- Antec NE750 750W
- ケース
- Fractal Design Define mini C
※2023/08/02 SSDの型番表記ミス修正
余談:選定したパーツについて
- CPU
- 友人の家に遊びに行った際にCore i5 13600Kで組み替えたPCを見せてもらい、性能の高さと最近の価格事情に気持ちを揺さぶられて購入を決断しました。
- マザーボード
- CPUクーラー
- 当初はNH-D15を使い続ける予定だったのですが、購入したマザーボードのPCI-Express端子の位置がいままで使っていたマザーボードよりも一段高い位置にある影響で、CPUクーラーのヒートシンクがグラフィックボードに干渉することに組み始めてから気づきました。
ヒートシンクを90度回転させたら取り付けはできたものの、さすがにこれは冷却性能を発揮できないだろう…と判断し、高性能かつ干渉のリスクが低そうなAK620を急遽追加購入しました。
- 当初はNH-D15を使い続ける予定だったのですが、購入したマザーボードのPCI-Express端子の位置がいままで使っていたマザーボードよりも一段高い位置にある影響で、CPUクーラーのヒートシンクがグラフィックボードに干渉することに組み始めてから気づきました。
- データ用SSD
- 安い割に搭載部品が優秀で高速、と一部界隈で話題の中華M.2 SSDが気になり購入しました。
信頼性はどうなのかという点が懸念事項になりますが、データは時々バックアップを取っているのと、ゲームのデータが大半を占めることから、最悪壊れてもなんとかなるだろう、と楽観的に判断しています。
- 安い割に搭載部品が優秀で高速、と一部界隈で話題の中華M.2 SSDが気になり購入しました。
ベンチマーク結果を比較
CineBench R23、FF14ベンチマーク、FF15ベンチマーク、BLUE PROTOCOLベンチマークを実施して結果を比較してみます。
- 測定条件について
- メモリ:DDR4-3600 (XMPプロファイル使用)
- グラフィックボード:電力制限なし(100%)、ドライババージョン:472.12
- Windows Update実行で適用されるドライバをそのまま使用
CINEBENCH R23 マルチ(10分)
参考に、以前測定していたRyzen 5 3600のデータも掲載しています。
一番の比較対象にしたかった、肝心のRyzen 5 5600Xのマルチ10分スコアを取り損ねるというミスをしてしまいましたが、スコアの出方の傾向はRyzen 5 3600と同様なので、1回計測のスコアと比較します。
Core i5 13600Kについては、マザーボードのデフォルト設定のままベンチマークを実行したところ、マルチ10分完走直前にCPU温度がほぼ100℃まで上がってしまったため、電力設定を抑えたベンチマーク結果も2パターン測定してみました。
- PL1=125W, PL2=181W
- Core i5 13600Kの定格設定
- ブースト時間を超過すると、125W程度で動作するようにリミッターがかかる
- PL1=154W, PL2=181W
結果
CINEBENCH R23 シングル
シングル性能の比較についても、マルチ性能と同様の項目で比較を行います。
結果
- Core i5 13600Kはシングル性能も高い!
- シングル性能では電力制限の影響を受けない
- シングル性能の比較では、ベンチマーク実行中でも消費電力が70〜80W程度となり、電力制限の影響を受けないため、電力制限なし・PL1=125W・PL1=154Wのいずれでも性能差はほぼありませんでした。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
ここからはCore i5 13600KとRyzen 5 5600Xでの比較です。
同一メモリ・同一グラフィックボードを使用した場合のゲーム性能比較を行います。
- 測定条件
- 以下の設定で測定を実施
- 1920x1080 最高画質
- 2560x1440 最高画質
- 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施
- 以下の設定で測定を実施
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアは、Ryzen 5 5600X比で1920x1080が15%、2560x1440で9%ほど上昇しました。
1920x1080(FullHD)解像度でのスコアの伸びが顕著で、CPUとマザーボードを変えるだけで30000点台に乗るのか!と驚きました。
フレームレート(平均・最低)
1920x1080・2560x1440のいずれも、Ryzen 5 5600X環境比で平均fps・最低fpsともに向上しているのが確認できました。
最低fpsが解像度問わず20程度上昇しているので、ゲーム画面がよりカクつきにくくなっていることが期待できますね。
FINAL FANTASY XV ベンチマーク
FF15ベンチマークについては、ベンチマークスコアのみの確認を行いました。
- 測定条件
- 以下の設定で測定を実施
- 1920x1080 高画質
- 2560x1440 高画質
- 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施
- 以下の設定で測定を実施
ベンチマークスコア
こちらでも、Ryzen 5 5600X比でのスコア向上が確認できました。
上昇量はFF14ベンチマークに比べると控えめで、1920x1080・2560x1440ともに5%前後のスコア上昇でした。
以前Ryzen 5 3600からRyzen 5 5600Xに移行したときも、FF15ベンチマークに関してはあまりスコアの上昇が確認できなかったので、このベンチマークに関してはグラフィックボードのほうがより強く結果に影響するものと考えられます。
BLUE PROTOCOL ベンチマーク
2023年6月下旬にサービス開始したばかりのBLUE PROTOCOL。
ベンチマークが先行して公開されていたので、こちらを利用しての性能比較も行いました。
- 測定条件
- 以下の設定で測定を実施
- 2560x1440 最高画質
- 使用モニタの最高解像度が2560x1440のため、3840x2160(4K)での計測は未実施
- 以下の設定で測定を実施
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアについては、Ryzen 5 5600X環境比で約9%の上昇でした。
上昇量はFF14ベンチマークの2560x1440での結果と似たような内容となりました。
フレームレート(平均・最低)
フレームレートに関しては、平均13fps程度の上昇でした。
最低fpsの落ち込みがFF14ベンチマークと比べて激しいですが、10fps近くまで落ち込んでいるRyzen 5 5600Xに比べると、30fps弱で踏みとどまっているCore i5 13600K環境は凄いと感じさせられます。
まとめ:これがCore i5!?という高性能、だけど発熱はうまく制御したい
各種ベンチマークを回してみた感想としては、とにかく「これでCore i5なのか…」という驚きに終止してしまいました。
一つ前の世代であるCore i7 12700Kと渡り合えてしまうポテンシャル、二世代以上前であればCore i9さえ超えてしまう?!という性能のCPUがミドルレンジ帯のCore i5という位置づけでリリースされているという事実に、「すごい時代になったなぁ」と思うばかりです。
Ryzen 5 5600X環境から入れ替えたことによる性能の向上に関しては文句なしですが、性能の大幅向上の代償として発熱も大きく、ハイエンド級の空冷クーラーを持ってしても、前提知識無しで何も考えずに扱うのは少々難しい印象を受けました。
私の環境ではmicroATXサイズの静音重視ケースで半ば無理やりGeForce RTX 3070Tiを使っていたこともあり、CPUとグラフィックボードの両方からの発熱がネックになりました。
幸い、マザーボード側の設定で適切に電力制限を設定することでCPU発熱は現実的なところまで抑えることができたので、性能とのバランスを考えて運用したいところです。
簡易水冷での運用や、ケース全体の排熱を考えたパーツ選びも考えるべきだと感じました。
発熱面で難しい部分があるとは述べましたが、圧倒的な性能の高さは魅力的ですし、今回PC構成を変えて大変満足しています。
記事執筆時点ではIntelに限らず、AMDもRyzenの7000番台が圧倒的に性能を伸ばしており、Intel環境でもAMD環境でも、PC自作がとても楽しい時期にあると思います。今は時期が良い!!