かずどっとがまた端末買ってる

購入した端末について使用感などを書いていくつもりのブログです

2023年に初代VAIO Phoneを手に入れてしまったので、せっかくだし簡単にレビューしてみる

先日(と言ってももう1ヶ月半ほど前ですが)、CCコネクトさんの実店舗で「1,500円で引けるジャンク端末ガチャ」があったので、引いてみたところ…

思ったより状態の良い端末が出てきた

現れたのはVAIO Phone(VA-10J)。2015年に発売された端末です。

せっかくなので、2023年時点で発売から8年経過しているこのVAIO Phoneを簡単にレビューしていきたいと思います。

概要

VAIO Phone(VA-01J)は2015年に日本通信から発売されました。
PCでお馴染みである「VAIO」のスマートフォン初参入として、発売当時はいろいろな意味で話題になっていたと記憶しています。

スペック

公式サイトよりスペック一覧を引用します。

項目 数値
サイズ(幅×高さ×厚さ) 約71.3mm×141.5mm×7.95mm
重量 約130g
画面サイズ 5.0インチ
解像度 720x1280ピクセル
バッテリー容量 2,500mAh
OS Android 5.0
CPU 1.2GHz クアッドコア
内蔵ストレージ(ROM) 16GB
内蔵メモリ(RAM) 2GB
SIMタイプ microSIM

引用元:端末について | VAIO® Phone

なお、引用元ではSoC(CPU)の型番が伏せられていますが、実際に搭載されているSoCは「Snapdragon 410」です。
400番台のSnapdragonなので、性能面ではエントリークラスと言えます。
同等スペックの他社製端末には、富士通の「arrow M02」、ASUSの「Zenfone 2 Laser」などが挙げられます。

外観

前面・背面

前面および背面。背面のVAIOロゴがやや上部に寄っているほか、ホコリや指紋が目立ちやすいです。

前面と背面。どちら側にもVAIOロゴがあります

側面(端末上部・下部)

端末側面の、向かって上部と下部。
上部にヘッドホンジャック、下部にmicroUSB端子と、オーソドックスな構成です。

端末上部と下部。上部には3.5mmヘッドホンジャック、下部にはmicroUSB端子があります

側面(端末左側・右側)

SIMスロットとmicroSDカードスロットは左側面側にあります。
microSDスロットのロゴが特徴的です。また、SIMスロットはカバーを外した上でピンを挿して引き出すタイプです。SIMカード形状が現在主流のnanoSIMより一回り大きいminiSIMであることが、時代を感じさせます。

端末左側と右側。左側はSIMスロットとmicroSDスロット、右側は電源ボタン・音量ボタンがあります

ソフトウェア

VAIOの名前を冠しているものの、ソフトウェアは特にカスタマイズされている様子のない、ほぼ素のAndroid 5.0を搭載しています。

搭載OSはAndroid 5.0です。2枚目は参考として、初期状態でのストレージ空き容量を確認した画面です

VAIOらしさ」のようなものが感じられるのは、プリインストールされている壁紙1枚のみ。

プリインストールの静止画壁紙は、デフォルトで設定されているこの1枚のみ。VAIO Phoneで感じられる、数少ないカッコいい要素です

プリインストールアプリも、オリジナルのものはファイルマネージャーと、「LTE Hotspot Manager」という謎のアプリのみ。
後者の「LTE Hotspot Manager」に関しては、実行しても動作停止してしまう上に、言語設定がなぜか英語に切り替わってしまいます。

プリインストールアプリのアイコンのデザインを見ると、時代を感じます

実際に触っていて調整不足では?と思う点もありました。
画面下の戻るボタンやホームボタンを操作したときに短く端末がバイブレーションするフィードバック機能が、
他の端末と比較して明らかにバイブレーションが長すぎるのです。

物理ボタンが押されたことの代替として軽くバイブレーションするだけと思いきや、 画面下の戻るボタンやホームボタンなどを押す度に「ヴーッ」と、1秒近い長さでバイブレーションしてしまいます。
画面を戻る操作の度に、通知メッセージが来たかのごとくバイブレーションするので、これには操作していて不快感を感じました。

2023/11/25追記:触り直してみたら、流石に「1秒近い」は盛りすぎかな…と思いました。それでも、他の端末と比べるとちょっと長いなという印象です。

所感

所感を、性能面・ソフトウェア・全体を通して、の3点でまとめました。

性能面

端末性能としては、2015年当時のエントリークラスのSnapdragon搭載機として見ると良くも悪くも「標準的」といった印象です。
なお、当時発表された販売価格は51,000円と、他のエントリークラスの端末の水準と比較すると明らかに高価でした。これには回線の利用料金を含めた価格設定にしていたという背景があったようですが、記憶ベースでは価格部分の情報だけが独り歩きしていたように思います。

※参考:5型Androidスマホ「VAIO Phone」が正式発表 ~本体料込みで月額2,980円より - PC Watch

ソフトウェア

ソフトウェアに関しては、前述の通り、ほぼ「素」のAndroidでした。
余計なアプリがほとんどプリインストールされていないという点ではプラスに捉えられますが、同時に「素」のAndroidであることがVAIOブランドとしての付加価値には寄与していないという印象を受けました。

また、タッチ操作フィードバックのバイブレーションの長さなど、そもそも調整すべきポイントが調整されていないのでは?と感じられる点もありました。

2023/11/25追記:上の項で打ち消ししたところに関連する項目を打ち消し。

全体を通して

触るほどに、「VAIOロゴを取ってつけただけの端末」感が強く感じられました。
余計なソフトが入っていない、素のAndroidスマートフォンであることを魅力の一つとして捉えることもできますが、これが「VAIOブランドを冠したスマートフォンである」と考えると、あまりにも味気ないな…というのが、正直な感想です。

個人的にはVAIOブランドに「性能が高い」や「デザインが洗練されている」といった面を無意識に期待してしまうのですが、このVAIO Phoneは性能控えめ、デザインも洗練されているとは言い難い…ということもあり、発表当時は「VAIOのブランドでこれ??」とマイナスイメージを抱いたことを覚えています。

発売から数年後に、中古市場で投げ売りされることになったわけですが、実際触ってみて、さもありなん…といった印象です。
※参考記事:どこから出てきた? “初代VAIO Phone”の未使用品がイオシスで販売中 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!

また、せっかく手に入れたし、何か実用できないか…と考えましたが、2023年現在でAndroid 5.0の端末を常用すること自体に相当な無理があり、断念しました。
目覚まし時計代わりに使ったり、microSDに音楽データを入れてオーディオプレイヤーにする…というあたりが私の思いつく限界でしたが、どちらもわざわざVAIO Phoneを使うほどでもなく、ボツとなりました。

ちなみに、VAIOはこの初代VAIO Phoneの後にOSとしてWindows Phoneを採用したVAIO Phone Biz、VAIO Phone BizのOSをAndroidに変えたVAIO Phone Aを発売しましたが、VAIOブランドのスマートフォンはここで途絶えてしまいます。
スマートフォン業界で地位を確立することの難しさを、改めて考えさせられました。