Xperia 10 IVはドコモ・au・ソフトバンク・楽天・その他MVNO各社で販売されていますが、ソフトバンク版に関しては多くの店舗で特別な値引施策が打たれており、端末発売日~2022年7月末までの期間限定で、回線契約を伴わない端末本体のみの購入でも一括31,800円と、下位モデルであるXperia Ace IIIと同じくらいの水準の金額で購入することが可能です。
今回は価格の安さに釣られたのと、5G通信に対応したモバイルルーター代わりの端末が欲しかったこともあり、購入に踏み切ってしまいました。
この端末については書きたいテーマが2種類あるので、記事を「その1」「その2」に分けて書いていきます。
「その1」では、外観確認とアクセサリー類の紹介、そして現在私がメイン機として使用しているXperia 1 IV(ドコモ版 SO-51C)と今回購入したXperia 10 IV(ソフトバンク版)の機能面を比較して、現行のハイエンドモデルとミドルレンジモデルでどの程度機能に差異があるかを見ていきたいと思います。
開封・サイズ感比較・アクセサリー類について
開封&付属品の確認
端末購入時に店頭で開封確認は行ったのですが、改めて内容物を確認していきます。
外観チェック
Xperia 10 IVの本体外観を見ていきます。
前面・背面
本体の前面と背面の写真です。
ソフトバンク版なので、(特にドコモ版によくある)キャリアロゴ等はありません。SIMフリー版と同様の外観だと思われます。
本体側面(上側・下側)
Xperia 1 IVではSIMスロットの位置が本体下側・USB-C端子の隣にありましたが、Xperia 10 IVでは従来機種と同様の位置のままでした。
本体側面(左側・右側)
前述の通り、SIMスロットは従来機種から変更なしで本体左側面にあります。
Xperia 1 IV同様、Googleアシスタントキーは廃止されています。また、カメラのシャッターキーは搭載していません。
他の機種とサイズ感を比較
手持ち端末の中で現在メイン運用している2機種(Xperia 1 IV、iPhone 13 Pro Max)と大きさを比較してみました。
並べてみると、Xperia 10 IVのコンパクトさが際立ちますね。
私は比較的手が大きいほうなので、Xperia 1 IVくらいの横幅でも片手操作するには困らないのですが、Xperia 10 IVを触るとコンパクトな端末での片手操作のしやすさを再認識しますね。
購入したアクセサリー類について
Xperia 10 IV用に購入したアクセサリー類(ケース、保護フィルム)を紹介します。
ケース
ケースはXperia 1 IV用、iPhone 13 Pro Max用に引き続き、Simplism Turtleをチョイスしました。
TPUケースやTPU+ポリカーボネートのハイブリッドケースとして標準的な形状だと思います。 今回は家電量販店でケースの実物がサンプル展示されていたため、実物を確認した上での購入です。
電源ボタンがXperia 1 IVに比べると押しづらく感じるのが若干マイナスポイントですが、それ以外は申し分なしです。
電源ボタンが押しづらいのは、Xperia 1 IVに比べてボタンサイズが小さいことが影響しているかもしれません。
保護フィルム
保護フィルムは一度購入したものが気に入らなかったため、結局買いなおす羽目になりました。
最初に購入したものがこちら。
半ば衝動買いに近い形で端末を購入してしまったため、家電量販店でパッと購入できる保護フィルムの中から「指紋が目立たないタイプにしよう」と思ってこちらを購入したのですが…正直、買って失敗しました。
指紋は付きにくく目立たないのですが、商品が「反射防止」を謳っているため画面が白っぽく、かつザラついて見えるようになってしまいました。 反射防止というよりはただ画面が見づらくなっただけに感じ、画面に表示される文字も読みづらくなってしまったため、自分には合わないと判断し剥がしてしまいました。
結局、他の機種でも愛用しているミヤビックスのOverlayシリーズから、防指紋タイプのOverlay Plus 9Hを購入し、貼り付け直しました。
画面のクリアさは流石に高光沢タイプのフィルムには劣りますが、最初に購入したフィルムと比べると画面の見やすさは圧倒的にこちらのほうが上でした。
ミヤビックスの保護フィルムは他社の保護フィルムと比べると貼付け難易度がやや高いですが、それに見合うだけの品質であることを再認識しました。
カメラ画質
参考までに、カメラでいくつか写真を撮ってみました。
まずは同じアングルからカメラ3種を切り替えて撮影。
広角カメラで撮影した際に色味がちょっと不自然になってしまいました。逆に望遠カメラはやや青みがかりました。
続いて、屋内で撮影した写真。
最初に撮った写真で感じた色味の不自然さはここでは感じられませんでした。
夜景の撮影テストも行いました。
このアングルでは、ナイトモードOFFとONの差があまりないように見えます。
もう1種類夜景撮影してみました。
こちらはナイトモードOFFとONで差が顕著に感じられました。ナイトモードONでは夜空がハッキリ見えます。
ナイトモードOFFの状態で、追加で1枚撮影。
Xperia 1 IVと機能を比較してみる
ここからが本題です。
Xperia 10 IVの持つ機能を上位モデルであるXperia 1 IVと比較して、Xperia 10 IVでどれだけのことができるのかを見ていきたいと思います。
ここではベンチマークスコアやカメラ画質の直接比較ではなく、各種設定アプリやプリインストールされているアプリを見比べて、機能の差異を見つけていくという観点で比較していきます。
Wi-Fi周り
Xperia 10 IVではIEEE802.11ax(Wi-Fi 6)に対応していないため、Xperia 1 IVと同じアクセスポイントに接続しても表示が「Wi-Fi 5」になります。
実用上で体感できるほどの違いは生じないと思いますが、Xperia 1 IVに比べて理論上の最大通信速度が低くなります。
接続の設定
Xperia 1 IVにはUSB-C端子から変換コネクタなどを介して映像信号を入力する「外部モニター」機能と、PlayStation4用コントローラー(DualShock 4)・PlayStation5用コントローラー(DualSense)を接続して使うための機能が用意されています。
Xperia 10 IVではこれらの機能は搭載されておらず、おサイフケータイ機能付きのAndroidスマートフォンとして標準的な機能のみが用意されています。
バッテリー
ワイヤレス充電関連以外は、Xperia 10 IVとXperia 1 IVで同じ項目が用意されています。
ワイヤレス充電対応のXperia 1 IVには、おすそ分け充電の項目が追加されています。
音設定
Xperia 1 IVには、動画再生時に音声に合わせて端末が振動する「ダイナミックバイブレーション」という機能が搭載されています。
Xperia 10 IVではこの機能は搭載されていないため、設定項目がありません。
オーディオ設定
Xperia 1 IVはDolby Soundに対応しています。また、動画撮影時の風切り音を軽減する「インテリジェントウィンドフィルター」という機能を搭載しています。
Xperia 10 IVは上記2つの機能は搭載していませんが、圧縮音源を高音質化する「DSEE Ultimate」、立体音響に関連した「360 Reality Audio」「360 Upmix」についてはXperia 1 IV同様に対応しています。
画面設定
Xperia 10 IVはディスプレイの高リフレッシュレート(120Hz)駆動には対応していないため、Xperia 1 IVにある「低残像設定」の設定項目がありません。
画質設定
Xperia 10 IVの設定メニューはXperia 1 IVと比較してシンプルな構成になっています。
余談ですが、Xperia 10 IVは前モデルのXperia 10 IIIと異なり、HDR規格には対応していません。
サイドセンス
サイドセンスの機能は、Xperia 1 IVとXperia 10 IVで同じです。
ソニーのHeadphone Connectアプリがインストールされている環境で、サイドセンスからワイヤレスヘッドホンの制御が出来る機能もXperia 10 IVで利用可能です。
ポップアップウィンドウの機能も、Xperia 1 IV同様に使用可能でした。ただし、ポップアップウィンドウが表示されるタイミングなどで若干画面がチラつきます。
外観
Xperia 10 IVはアンビエント表示(Always-on display)の機能に対応しておらず、設定項目がありません。
Xperia 1 IVには、アンビエント表示設定のほか、「音質と画質のステータスを表示」という独自の機能が追加されています。
ユーザー補助
Xperia 1 IVには「補聴器」の項目があったのですが、Xperia 10 IVには見当たりませんでした。
また、「バイブレーションと触覚フィードバックの強さ」の項目にXperia 1 IVとXperia 10 IVで表示の違いがありますが、設定できる項目自体は同じです。
システム
Xperia 1 IVは複数ユーザーの切り替えに対応していますが、Xperia 10 IVは設定項目自体が存在しません。
その他アプリ
カメラアプリの違い
Xperia 1 IVはPhotography Proアプリ、Xperia 10 IVは従来からのカメラアプリを搭載しています。
Game Enhancerアプリの有無
スマートフォンでのゲームプレイをサポートしてくれるGame Enhancerアプリは、Xperia 10 IVには搭載されていません。
まとめ
Xperia 10 IVとXperia 1 IVに搭載されている機能の違いを、実機をもとに比較してみました。
Xperia 1 IVはハイエンドモデルだけあって様々な機能が盛りだくさんになっている一方、Xperia 10 IVはXperiaシリーズならではの付加価値は控えめながらポイントは押さえてある、という印象を受けました。
「映像を楽しむ」という方面に関しては物足りなさを感じますが、一方で高音質化機能についてはXperia 1 IV同様にDSEE Ultimate・360 Reality Audio・360 Upmixに対応しており、音楽プレイヤーとしてはハイエンドモデルに匹敵するポテンシャルを持っているのではないかと思います。
一方、Snapdragon 695を搭載している他社スマートフォンと比較すると、ディスプレイの高リフレッシュレート駆動に対応していない点や、定価が割高に設定されている点が気にかかります。
個人的には、高リフレッシュレート駆動に対応していないのが特に残念に感じました。
画面が滑らかに動くだけで「軽快に動作している」感が得られるので、次期モデル以降での対応に期待したいところですね。
Xperia 10 IVは「買い」?
定価こそやや割高に感じますが、ソフトバンクは期間限定ながら大幅な割引施策を展開しているお陰でかなりコストパフォーマンスの高い製品になっています。
他キャリアやMVNO各社についても、店舗限定の割引施策や、キャンペーンによる割引を利用することで比較的安価に入手するチャンスは多いと思われます。
また、各キャリアが提供している「2年後に端末を返却するタイプの契約」を利用すれば、特別な施策無しでも4万円前後の自己負担でXperia 10 IVを利用することが可能です。
「スマートフォンを2年周期で機種変更する、機種変更前の古いスマートフォンは手放しても良い」…という考え方でスマートフォンを利用するのであれば、一考の価値アリです。
個人的に考える、Xperia 10 IVをオススメできる人は?
個人的には、以下のような人にXperia 10 IVをオススメできると考えています。
- 高機能でなくて良いのでコンパクトな5G対応スマートフォンに買い替えたい、と考えている人
- Xperia 8・Xperia 10 IIを利用していて、同じくらいのサイズのXperiaシリーズへの買い替えを検討している人
Xperia 10 IVの最大の強みは本体のコンパクトさだと思います。
現在発売中でコンパクトなサイズ感の機種としてはXperia 5 IIIも挙げられますが、こちらは高性能な分、定価10万円を超える高価な機種です。
Xperia 10 IVは、「そこまで性能は要らないけど、コンパクトな機種が欲しい」という需要を満たしてくれる一台になっていると思います。
先代機種にあたる、Xperia 8やXperia 10 IIからの買い替えとして検討するのも良いと思います。
私の場合は特殊な動機でこの機種を購入していますが、「コンパクトなXperiaが好み」という方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
余談
ソフトバンク版Xperia 10 IVにドコモの5G対応データSIMを挿して運用してみたところ、無事5Gのアンテナピクトが表示されることを確認しました。
「その2」に続きます
「その2」では、過去に発売されたハイエンドモデルとXperia 10 IVとの性能比較を、ベンチマークなどを通して行っていきます。